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日本郵政グループの1万人リストラ 対象はどの層なのか

昨年から続く
「AIやITを活用した新ビジネスモデルへの転換」
「若手優秀社員、専門性高い人材採用の為の新陳代謝」
「グローバル化、ダイバーシティを踏まえた人材の活性化」
と言った大手メーカーなど企業の根本的な構造、組織変革を受けての黒字リストラや
「マーケットの縮小、既存ビジネスモデルの限界からくる業績不振」
を受けての流通小売りや金融などの業務縮小型リストラが続く中、
ついに日本郵政グループが全国1万人規模の人員削減を検討しているニュースが発表されています。

郵便局員1万人削減案 金融事業低迷で労使協議へ(日経)
日本郵政、全国の郵便局員1万人の削減案浮上 全体の5%(毎日)

直接的な要因として低金利による運用難や、かんぽ生命保険の不適切販売問題で金融事業の収益力が落ちたことが要因だと上げられていますが、もともと郵政民営化時点から言われていた、民間企業としての経営視点と全国体制の適性化が上手く進んでこなかったツケもあるのではないでしょうか。

具体的にはこれからのようで、労使との交渉もあり3年がかりの中期経営計画中で決まっていくのでしょうが、全国郵便局で働く方々はこれから気が気じゃないかもしれません。

競合と同様の変革

郵便・物流、国際物流、銀行業務、保険と言う事業。
民営化以降、日本郵政グループの事業には、運輸、金融、生保など元々競合する企業が多いのですが、全国拠点数や社員数の規模で考えれば、どの事業もトップに君臨しておかしくないグループです。
但しマーケットや市場のニーズの変化を踏まえた上での事業戦略と言う観点で言えば民間の大手企業の変革に対し遅きに失した感は否めません。

  • 「ネット、メールなどの登場により郵便と言う概念が変わってきていること」
  • 「年賀状文化が無くなってきていること」
  • 「金融商品、保険商品の販売は窓口接客が減ってきていること」
  • 「預貯金個人利用の拠点(ATM等)は利便性第一になっていること」
  • 「宅配ビジネスの競争激化」

などなど。
競合するどの業種の大手企業も既に、業務効率化、電子化、IT活用を推進し、店舗の縮小など適正な人員体制に持ち込もうとしています。(参考 金融業界と理系人材)
一方の郵政グループは民営化とは言え、未だ大株主が国である為、半官半民状態。
郵便と言う公共性の高い事業と民営化と言う矛盾(赤字でも仕方がないと言う考え方)が、事業の成長の足かせになっているのかもしれません。
よく話題になる地方の人口減少している過疎地域の郵便局の必要性の有無。公共性の高いサービスに求められる事と、ビジネスとして成立しない事の二面性をいつまで持ち続けることができるのでしょうか。

日本郵政グループリストラ

競合のリストラは中高年層、管理者だが

郵政グループが労使交渉の上、どのような人材を削減していくかは解りませんが、私達COPO編集部は、競合他社の多くが人口減少や少子化、マーケットを見据え、ICT推進と若い専門性の高い人材へシフトする流れから見ても、「中高年層の成果に見合わない高い人件費」は焦点の一つになるはずだと考えます。

45歳以上の早期希望退職者募集が圧倒的に多いのも、中高年層は今やどの業界でも、業務の効率化、スピード化、電子化、IT推進で仕事が無くなり、会社内の存在価値を一番問われる層になっていることの現れです。
既に大手金融、地銀、信金など金融業界でも、店舗の閉鎖、統合が進めば、現在の数の支店長は要らなくなり、メーカーやその他でも部や課の統合が進めば管理職はその分要らなくなっています。

郵政グループの
「保険や貯金の取扱額、郵便物数といった業務量をもとに地域ごとに必要な人数をはじいたもので、基準に沿って採用や希望退職で人数を調整する」
「人口減少やデジタル化も踏まえ、業務の省人化を進める」
という発表は、まさに他の競合他社が先んじて取り組んでいるテーマであり、他社では、成果に結びつきにくい重い人件費層(中高年、管理者層)を削減してきています。

郵政グルーブも、今後郵便局の数を一挙に減らすとは思いませんが、もし仮に、現場で顧客接点のサービスを展開する非正規社員や若手社員を削減する方向になったら本末転倒。
組織の年齢バランスで考えれば、希望退職者募集の矛先は若手の局員や今後の新人よりも、既存のベテラン社員、さらに現場よりも支社や本社の中高年社員に目が行くことは十分予想されます。

どの業界、業態においても、生産性と成果に見合わない報酬をもらう人材の多くが中高年層に多いのは間違いないようです。

参考記事
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新リストラ時代の働き方

(編集部)

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