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早期希望退職者の受け皿、転職活動について

再就職支援について

上場企業の早期希望退職募集10末で前年比2倍!の記事でも触れましたが、今年だけでなく、来年三月末の決算状況次第では、より大量の早期希望退職者募集があっても不思議ではありません。
希望退職とは言え、直ぐに転職活動を余儀なくされる訳ですが、企業側も再就職支援を打ち出しています。

この「再就職支援」。
言葉は聞こえは良いですが、あくまでも支援であり、直接就職先を世話するものではありません。
人材紹介会社などと提携し、面談や転職活動指導を行い、募集企業への応募面接をサポートしていくものです。こちらもあくまでもサポートであり、転職や希望先への入社を確約するものではありません。
さらには早期希望退職の募集に応募した時点で、人材紹介会社に丸投げし後はお任せと言う酷い企業の話もあります。人材紹介会社からの紹介が半年、一年かかってもなかなか決まらず、自信喪失から心の病になってしまった方の例もあるくらいです。
いずれにしても、どこでどのような仕事をしていくのか、企業任せではなく自ら考え積極的に転職活動していかなければなりません。

転職先、受け皿企業はあるのか

早期希望退職者募集による転職希望者(余儀なく退社も含め)にとって一番気になるのは、“果たして自分が希望するような転職先企業があるのか? 募集しているのか?” と言う点ではないでしょうか。

以前の記事「40代50代の転職 転職先の業界を考える」でも言及したように、同業界や同業他社への転職は極めて難しく、変革せざるを得ない企業の早期希望退職者としての自分が、次も同業界内で居場所を見つけるのは困難です。
現在、コロナ禍もあり、有効求人倍率も低く、職安にも求人が少ない状況です。
厳しいようですが、希望通りの転職が出来るのはごく一部であり、少ない募集に多数の応募が殺到し面接まで進めるのも難しく、人材紹介会社通しでのアプローチも、希望に叶う募集先はほとんど無いと聞きます。
企業が40代以上の中間層の採用をする場合、多くが1~2名と少数なので余計に競争率は高いものとなります。まして今回のような大量の転職希望者が同時期に出てくる状況なのです。

転職活動においても、「具体的な職種や仕事内容」「収入面での希望」「勤務地、勤務体系について」「福利厚生面」などこちら側の希望を次々並べては、募集案件自体が無い場合が多いのです。
例えば現在、転職サイトなどで40歳以上で実際に募集が多い職種では、
「不動産営業、タクシー運転手、運送関係ドライバー、工場製造スタッフ、販売サービス、飲食関係、保険営業、派遣エンジニア」のような募集が多く、大企業の総合職経験者が仮に応募しても、募集側は実務経験者を優先するのは当然かもしれません。
40代、50代、中高年の就活で最も重要なこと Part1」でも書きましたが、現在、中小企業の営業などの中途社員募集に面接前の書類応募だけで、数十名、多いと100名を超える応募があり、名の知れた企業や、大手グループ企業出身の40代、50代の中高年層の応募も多いという状況です。

ですが厳しい話ばかりではありません。

40代の転職人材に対して企業側が求めるものは、専門性(スペシャリスト)、そしてマネジメント力、さらにコロナ禍の現状においては新規事業開発への期待もあります。
専門的スキル、マネジメントや新規事業に関するある程度の経験があれば、人材紹介会社や転職エージェントを通して希望の企業に出会うこともできます。
心機一転、中小企業診断士、税理士、弁理士、社労士など資格を取得し、その道の専門家への道もありますし、これから伸びる業界で、経験を問わない介護関連のビジネスはご存知のように人手不足です。
参照:■40代50代転職に向けたスキル・資格
また、友人や親しい取引先などの人脈を活用して、募集をしていない企業に面談し転職したケースも多々あります。
公式に募集していなくても、潜在的にマネジメントスキルを持つ中堅人材を求めている企業は多いようです。

そして最近話題なのが、地方での求人です。
地方の企業では、大手での経験を積んだ人材のニーズがあり、地方中小企業においても事業承継の為の後継者募集は依然としてニーズがあります。
地方での仕事となれば、転居など家族との相談も必要ですが、請われて働くのであればヤリガイもあるでしょう。
さらに、以前紹介した本業以外の副業を増やしたり、管理職の派遣、独立してフリーランスといった道もあります。
参照
副業について/ウィズコロナ・アフターコロナ時代の働き方
新たなワークスタイル 管理職の派遣
フリーランスと言う働き方

70歳現役がうたわれている現在、転職後も20年以上あります。
もし転職先が経営不振に陥れば希望退職の繰り返しです。
一社に長期の企業勤めは、これからは時代に合わないでしょうし、求められないでしょう。
「転職先企業探し」と言う狭い考え方から、「次の働き方」と言う考え方に広げ、活動をしていくことをお勧めします。