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ミドルの転職 募集要項と欲しい人材

募集要項に書かれていること

40代50代のミドル層の転職市場は、ここ数年人材流動化が激しくなってきていましたが、大手企業のリストラや、コロナによる業績悪化での人員整理などの影響でさらに多くの人材が動いています。
大手企業の早期希望退職での再就職支援を受けている層、人材エージェントを活用し次を探している層、あるいは自ら次の仕事を探し就活をしている層、そして職安などで仕事紹介を受けている層など、再就職、転職活動のやり方は様々です。

「中高年の転職は難しい」「ろくな仕事は無い」などと色々と言われていますが、それでも出来るだけ自分の希望通りの仕事に就けるように時間をかけて活動している人も多いことでしょう。
参照: 早期希望退職者の受け皿、転職活動について
人材の募集に関しては、就活サイトの募集要項や職安の求人票にはベースとなる情報、
例えば
・募集職種、(仕事内容)
・勤務時間、休日
・給与、待遇、福利厚生
・勤務場所
などの項目が記載されており、詳しいサイトでは、さらに
・経験、未経験
・資格について、
・スキル
・実務経験
などの情報も掲載されています。
他にもトップメッセージや実際の中高年の転職経験者を紹介し、リクルーティングのPRに力を入れている会社もあります。

これらの情報と、募集企業の会社概要や事業内容などを検討し、「自分が働けそうか」「活躍できそうか」などを踏まえ応募する流れが一番多いでしょう。

もちろん、給与、条件、勤務地などの観点から探す人が多いため、好条件の募集に応募が殺到し競争率が高くなり、結果的に「転職、再就職は難しい」という事になっています。

しかし人材関係の専門家に話を伺うと、実際の採用事情は少しばかり異なるようです。

表記されない「欲しい人材の募集要項」

企業側としては、ミドル層の採用に関しては、実は細かな条件云々よりも、進めたい事業の核となる人材、即戦力を求めています。

事業推進の核となる人材ですから、〇〇職と言った職種に限定しにくく、自ずと役職としてはマネージャーや部門長、部門責任者と言うことになります。
勤務時間や勤務地に関しても限定されたものではなく、複数拠点、出張、直行直帰、リモートなど、出社時間や場所に関しても様々なパターンがあります。

給与や条件に関しても、決まったものは無く、本人の実力、成果次第という会社もあり、プロジェクト推進における年俸契約のところも。
そして肝心の仕事内容は企業によって様々で、事業立て直しや部門拡大の経営、ヒト・モノ・カネのマネジメント、販路拡大の営業遂行など多岐にわたります。

したがって、上記のような規定に沿った募集要項では記載できない、語り尽くせないような募集が多いのです。

今までも一部人材エージェントが扱うような「高収入の人材紹介」では、新規事業責任者、〇〇プロジェクトリーダー、財務法務、製造管理部門責任者など細かな実務経験を問うような紹介がされています。高収入、好条件での採用にはそれなりの「成果」を期待するのは当然のことでしょう。
参照:採用エージェントを活用した転職活動について
これからの一般的なミドル層の募集は、人材紹介と同じように、前職での実務やマネジメント経験と、具体的な成果を問い、自社の募集に当てはまる人材をピンポイントで雇用していく流れになります。
さらに雇用形態も単に正社員という事ではなく色々と出てくるでしょう。

以前のように拡大成長路線が取れなくなっている昨今、企業としては、これからの事業を見越した人材確保が優先です。
若手の人材には、それぞれの専門性を求め、スキルを生かした仕事を。
ミドル層には、事業推進の責任者としてのノウハウ、スキルと、事業ベクトルに沿った「成果」を求めていきます。

募集要項にそれらの内容がどれほど記載されているかはわかりませんが、もし、応募したいのであれば、目に止まった募集企業の事業内容と現在の業績、これからの展望などを事前によく調べた上で、自分の経験が活かせるかどうかを判断し、求める成果を入れた出すに値する人材であることをPRすることが重要です。

「御社に入社したら、一生懸命頑張ります」は、もはや通用しない時代です。
「入社する」「採用されたら」という会社依存型の考えはやめて、
自分の経験とスキルが、どう活かせるか、その会社に協力していけるか、という角度でPRしてみることから始めてみてはどうでしょう。
自分が人事責任者なら、一度会って話を聞いてみたい、どんな人なのか見てみたいと感じさせるPRが大事です。

参考:2021年の転職市場予測「ミドル人材の求人動向」について(enミドルの転職)