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40代50代の転職 転職先の業界を考える

大手企業の早期退職希望者で転職活動を始める方や在職中に転職を検討している方の多くが
出来れば同業界や同業他社への転職」を希望していると言う話を聞きます。

その理由の多くが

  • 業界に関する知識、マーケットやユーザー動向、さらには業界内企業の事業展開をある程度把握している
  • 事業展開に準じた組織構成、部門、セクションなどその具体的な業務内容がある程度解る

などの前提から

  • 知っている強みがあるので転職後もすんなり仕事に入って行けるのではないか?
  • 同業界での経験を評価してくれるのではないか?

と言うイメージ、希望があるからのようです。

風土もメンバーも全く知らない新しい会社に入ることになる訳ですから、当然ながら大きな不安があり、ある程度の年齢での中途入社、それなりの役職での入社となれば、周囲の期待やシビアな目線など相当なプレッシャーがあるだろうことは安易に想像できます。

それを考えると、出来るだけ不安のない、プレッシャーの少ないスタートを切りたいという気持ちは理解できますし、できれば同業界内での転職、規模は小さくても同業種への転職が何かと都合良いと思うのも解ります。

ただ、現実には色々な壁があります。

客観的に考える業界と自分

同業界転職希望者に一番理解して欲しいことは、「業界がこれから欲しいのはどのような人材なのか」という事です。

業界に対する知識、マーケットやユーザー動向などある程度解っている方なら、今後5年、10年、業界はどう変わっていくか、その中にある企業に求められるものは何なのか、そしてどのような人材が必要とされていくか、などが漠然とながらもイメージできるのではないでしょうか。

もし上手くイメージできないのなら、同業の他社が現在どんな職種の中途採用を行っているのかや、何の目的でその職種を採用しようとしているのかなど求人サイトの情報で調べてみたり、学生に対する新卒採用情報で、今後の事業展開はどう考え、どんな人材を欲しているかを調べてみるとさらにイメージできやすいでしょう。

そもそも、自分自身が早期退職希望を促されたことや、転職を考えていると言うことは、
自社が変革しようとしているか、逆に変わろうとしていないかのどちらかであり、同様に同業他社も同じように、変革の為に新たな人材採用に取り組むか、旧態依然とした体制で将来が見えず試行錯誤をしている状態かのどちらかなのかもしれません。

そこに自分が果たせる役割・ポジションがあるのかどうか、冷静に考えてみるべきです。
厳しい言い方ですが、「変わる業界、変革せざるを得ない企業にあって、そこには場所がないと評価された自分が、次も同業界内での居場所があるのかどうか
と自問自答してみる必要があるのではないでしょうか。

例えば、現在、ITやフィンテックの技術の波を受け、業務改革や店舗閉鎖、大量の人員削減を余儀なくされている金融業界において、今後求められる人材は、IT、AIなどに特化した技術を持つ人材、新たな顧客サービスを開発できる創造性ある人材であり、大手銀行に長年いたベテランではないことはお解りだと思います。

他業界への転職

他業界への転職も視野に

一方で、業界も業種も問わずに、次のステージを考える方もいます。
当サイトの「何がしたいか、どんな仕事に就きたいかより、どのように働きたいか(自分のキャリアアンカー)」の記事でも紹介したように、仕事の内容よりもどのような働きたいかと言う仕事観、価値観を重視している方です。

もちろん、転職したからには即戦力として活躍しなければと言う不安やプレッシャーはあるでしょうが、それを感じさせないほどの確固とした働き方に対するポリシーがあるのと、まったく知識のない業界、業種に対し、それらを学び最新情報を得ようとする姿勢が、結果的に周りの評価を高めることになっています。

ただし受け入れ側の企業も、「同業界で大手から来た人」と「他業界の大手から来た人」では、自ずと見方は異なりますし、期待する内容も異なります。
どの業界業種であっても今後は企業の存続と成長の為に業態の改変や新規事業、IT推進は必要なので、他業界の大手にいた人には、業界問わず事業の改革絡みに関与してくれる能力を期待する場合が多いでしょう。

良く知られている話ですが、負債を抱え危なくなった企業や旧態依然として頭打ちの企業の立て直しや新規事業の旗振り役としてやってくるのは、業界、業種を問わないプロ経営者と呼ばれる方々です。

業界、業種を選ばす、「何かのスキルに特化していく方向」で、さらに「どのように働きたいかを大事にする」働き方。
転職の際に考える「次のステージ」とは、次の会社のことではなく、
更なるキャリアアップを目指せる新たな場所、ポジションのことではないでしょうか。

(編集部)

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