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副業は何をやるのか 何のためにやるか

副業は上手く広がっていない

前回の記事「副業・兼業の解禁が加速する」では、昨年より多くの企業で副業・兼業が解禁となり、その形態、制度も独自なものが増えてきていると紹介しましたが、一方の働く側が、副業解禁に喜んでいると言うかと言えばそうとも言えません。

会社によっては、本業と副業で働く2社での業務時間の上限規制があったり、副業・兼業先の業種の限定があったり、事前届け出での副業の仕事内容の審査があったりと自由度が低い場合が少なくないのです。
さらに、副業でのビジネスを募集している企業への応募の殺到もあります。
有名なYahoo! JAPANが、ニューノーマルを見据えた「オープンイノベーションの創出」を目的に、ギグワーカーの募集を昨年7月に開始しましたが、なんと4500人越えの応募があったと言います。そして業務提携したのは100人程度で40倍以上の競争率でした。
また、インターネットを介してリモートで個人が仕事を受注できるクラウドソーシングは、新型コロナの感染拡大の影響で、リモートワークや在宅勤務などによる余暇時間の増加と、収入の低下といった状況から、登録者が一気に増加傾向にあり、特にライティングなど、1案件に数十名が応募するなど依頼案件に対する競争率は高い状況です。さらにオファーする側もその状況を知ってか、発注金額を下げていく傾向にもあるようです。
登録者には雇止め、アルバイト先の休業などで仕事の無くなった非正規雇用の20代の若い層、学生が一気に増えているのも要因の一つでしょう。クラウドソーシングの分野は、かつてはその道の専門家、スペシャリスト、協力パートナー、外注先との出会いの場として重宝されてきましたが、今やスキルの低いほとんど素人と言っていい人まで多数登録し競争激化の模様です。

残念ながらこのような状況にあっては、普通の会社員が副業兼業を解禁されたからといって、直ぐに何かを始められるわけではないようです。

副業は何をやるか

副業は何のためにやるのか、何をやるか

本来、副業解禁は今後の社会の変化に対応する働き方の一つとして「多様性ある自己実現の追求」を元に推進されてきたものです。
一つの会社、一つの仕事を終始やり遂げる旧来の日本型の働き方から、一つの職業、専門に縛られない個人の仕事の多様化、将来を見据えた自身のポートフォリオの確立を意味するものでした。
しかしながら、新型コロナの影響から、企業の業績悪化による人件費抑制、DX化による人余り、事業転換などが増加し、体のいい副業解禁がうたわれているのも事実です。
働く側としては、自己実現より不足する生活費の確保がメインとなり、何でもいいからとりあえず仕事をと言った状況になってきています。話題になったUber Eatsの配達員の急激な増加もその一つでしょう。
ただしアフターコロナで経済環境が良くなったとしても、副業推進は本業以外の世界に接することで多様性ある人生を送るための手段として残ります。

現在、これから先、副業は何が良いのか、何が出来るのかを考え悩んでいる人は多いと思いますが、自分が強いと思う分野で考えるのが早道です。仕事を通して学んだ専門的知識を活かして講師や専門ライターなど活躍している人はいます。金融、物流、製造、販売、販促、経理、マネジメントなど、YouTubeでは、多種多様な講義動画が展開され、学びたい側のチャンネル登録者数も増えていますし、ウェビナーなど開催している会社では、常に業界に精通している専門家を探しています。

また自分が本当に興味あるもの、例えば趣味の延長で考えるのも一つです。
お酒、音楽、アート、スポーツ、日曜大工、園芸、など何でも仕事に変えられる部分はあります。
一時期ブームになって会社まで興した「ゲーム実況動画配信」などは、ゲーム好きからビジネスに転換したケースで、ネットの普及により、教える側と学ぶ側の距離がぐんと縮まり、「〇〇を学びたい、教えて欲しい」と言うニーズは年々高まっています。
例えば、ビジネスやスキルのマッチングサイトである「ココナラ」や「ストアカ」、「ビザスク」などには、趣味の分野で知識を活かた副業が数々登録されています。

まず、どんなことを仕事にしているか、世の中にはどんな副業があるのか、調べてみることでヒントが得られるのではないでしょうか。