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上場企業の早期希望退職募集10末で前年比2倍! 

早期希望退職募集企業 前年比2倍

当サイトで本年6月に紹介した「早期・希望退職募集企業 6月で昨年1年並みに!」において、リストラの本番は秋以降と書きましたが、予想を上回る形で早期希望退職者募集の話が矢継ぎ早に出てきており、ついに社数で昨年一年の倍以上になっています。

上場企業「早期・希望退職」募集企業 前年比2倍超に急増(東京商工リサーチ)

10月29日時点で72社に達し、昨年一年(35社)の2倍増と急増。
年間で募集企業が70社を超えたのはリーマンショックの影響の大きかった2010年(85社)以来10年ぶりということです。募集人数も公表しているだけで1万4095人を数え、昨年の1万1351人をすでに上回っています。
元々の業績不振に加え新型コロナウィルスの影響による業績不振の企業が増え、その結果の人員削減のようです。
どの企業が何名ぐらいの募集を行ったかについては
大リストラ時代がやって来た! 日立金属、コカ・コーラ、ファミリーマート、リクシル… 上場企業の早期退職募集が2倍以上に急増(2)(JCASTニュース) に掲載されています。

募集人数未公表、未定の企業も多く、先だって話題になったANAJ、JAL航空業界大手二社や、一昨年より継続して募集している大手金融は含まれていないので大手・上場企業だけでも対象者は2万人はいるのではないでしょうか。もちろん、非上場のや大手企業や準大手、中小企業まで含めると相当な数の募集が行われていることは想像できます。

早期希望退職

単なる人員削減ではない新たな人事制度

早期希望退職者募集と言えばメインは45歳~の中高年層(勤続20年以上)が対象ですが、今回の特徴として言われているのが十名単位の小規模募集と対象年齢や社歴に関係なく30代や20代まで対象年齢を下げている企業があることです。
さらにJCASTニュースの一覧をご覧いただければわかると思いますが、「早期希望退職者募集」と言った相称ではなく「キャリアオプション制度」「転身支援制度」「社外転進支援プログラム」「特別早期転進支援制度」「選択定年制」などの新たな人事制度として発表しているところもあります。

従来、何百と言うある程度の人数を対象とした早期希望退職者募集は、業績悪化による人件費の削減を目的とする『対処療法的人員削減』のように考えられてきましたが、今後は、人事制度の一つとして少人数を対象に継続的な人員体制づくりの為のものを導入していくのではないでしょうか。
昨年の同時期(コロナ問題が無い頃)に書いた記事 「2019年 上場企業「希望・早期退職」実施状況から見えること」において、「これからは間違いなく専門性の高い若手社員の継続的に採用し、ある程度の年齢になったら社外へ目を向かせ、転職、希望退職などの選択を問うていくと言う人材活用が主軸に」と紹介しました。
今後多くの企業が終身雇用に変わる新たな人材の循環策としての人事制度の確立に向かっていくことでしょう。
上記の企業の制度名のキャリア、転身、転進、選択などの言葉には、働く社員側に対し、「自社でずっと働くこと」ではなく「自社だけではない自身のキャリアを考えましょう」と言うメッセージが見て取れます。

自社は早期希望退職募集をやってないから大丈夫!ということはありません。
いずれ、自身のこれからのキャリアを考えることに直面します。そしてその為の準備や心構えは絶対に必要だと思います。