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ミドル社員は変わる企業と変わる働き方をどう考えるか

次々と決算発表を終えた企業が今後の新たな経営方針を打ち出していますが、共通するのは「ウィズコロナ時代を見据えた」大きな変化への対応です。
古い価値観の淘汰、新たな価値観の創出と言うパラダイムシフトが起きていること。
それは、企業のビジネス環境だけでなく、内部体制や組織、そして個々人の働き方にも影響してきます。
例えば伊藤忠では経営の新たな局面に入ったとの認識し、「稼ぐ・削る・防ぐ」の徹底を目指す経営計画を策定し「既存のビジネスをいかに変化に対応させていくか、守りながら変化する時代」と発表。
三菱商事も「デジタル化を重要視」との認識を示し「もはや、全員が会社に戻って相対でやるということには戻らない」と言及しています。
また具体的なケースで話題になっているのは、「富士通の8万人テレワーク実施」。政府発表の新しい生活様式に沿った形で、決まった場所に通勤する概念を無くすと言う画期的なものであり、いわゆる新たな働き方の推進です。
このように大手企業に限らず中堅中小様々な企業で、今まさに既存のビジネスをどう変化させ売上に繋げていくかと言う、製品、商品、サービス、顧客接点等の在り方の大幅な見直しと同時に、社内運営体制面において朝夕の通勤や社内での人との接触をどうしていくのか、テレワークやアウトソーシングをどう活用するかなど働き方と、コロナの第2波、第3波への感染リスクについての対応も経営層の重要なタスクになってきています。
さらに、これらにいち早く手をつけなければ、優秀な社員ほどやめていき、取引先からの信用や期待も薄れ、急激に淘汰が始まっていくとも言われています。
ニュースを見ると、大手百貨店が金融サービス・資産運用を開始し、イベント会社は動画配信にシフトし、リゾート開発会社がサテライトオフィス提供に変わり、医療にオンラインを導入するなど数え切れないほどの話題があり、これらは、感染拡大防止の為の策と言う一過性のものでは無く、「アフターコロナ」を見据えた新しい世の中に対応する動きとも言えるでしょう。
商品・製品・サービスそのもの、提供するための形態、その為の運営体制、必要な人材の確保と社員の働き方。
いわゆる「ニューノーマル」に向けて企業は今までの常識・価値観を大きく変えようと動きはじめているのです。

今後の働き方を問われるミドル(中高年)

ここ数年にわたり、課題となってきた40代、50代の中高年社員層。
このサイトでも数々取り上げてきました。
ビジネス環境の変化に合わせ、業務の改革を進める上で企業の足かせとなっているとまで言われ、一昨年より早期希望退職者募集の名の元、黒字リストラの対象になってきていましたが、今回のコロナ禍でさらに課題が明確になり、今後の身の振り方を問われそうです。

テレワークやオンライン会議で露呈したITへの対応力の低さや、在宅命令の中、ハンコ捺印の為の出社の話。そして満員電車での通勤、会社に1日中こもっての仕事、残業、飲みニケーションなど生産性の低い未だ昭和的就業観。実際にテレワーク継続に反対しているのは40代50代が多いとも聞きます。
変わろうとしている企業にあって、今年、来年とさらに続くだろうと言われている大量のコロナリストラのターゲットになることは安易に予想されます。

エンワールド・ジャパンの調査では、全国約4600名のビジネスマンが新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、今後のキャリアや転職について意識について74%が「変化した(大きくを含む)」と答えています。
さらに、その意識変化の内容は、「リモートワークが中心となる新しい働き方を希望」(51%)がトップで、次いで「個人の能力・スキルアップへの意欲向上」(46%)、
「会社に依存した働き方への不安」(40%)、「副業・ダブルワークなどにより副収入を増加したい」(34%)と続いています。
参照: ■新型コロナ禍、7割が「キャリアや転職に対する意識」に変化(ITmediaビジネスonline)
現在直面している現象は、感染拡大防止の為の策と言う一過性のものでは無く、「アフターコロナ」を見据えた新しい世の中に対応する動きです。
このように企業が変わると同様に、自己の働き方を変えていきたいと思うビジネスマンは間違いなく増えてきています。

人生100年時代において、40代はまだ仕事人生の折り返し地点にも至っていません。
40代、50代の中高年社員の方には、これから自分の働き方について転職、転身も視野に入れながら検討することが重要です。
その際に、上記アンケートにもあるように「リモートによる働き方」「自己の能力・スキルアップ」「会社依存からの脱皮」「副業・ダブルワーク」など、
新たな働き方の時代に自分自身はどう対応していくのか、自身のニューノーマルは何か、を考えておいた方が良いでしょう。