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変わる時代にどう向き合うか アフターコロナ時代のキャリアデザイン

キャリアとは

そもそもキャリアとは一般に「仕事・経歴・就職・出世」などのイメージで使われることが多く、特に転職市場においては、「技術・知識を示す経験」「転職回数や社格など含めた転職履歴」、さらには「年齢(日本特有の判断基準)年齢」や「人となりを表す考え方・人間性」など全てを「キャリア」と総称し採用側の指標によって様々に評価されてきました。
しかしながら、本来「キャリア」とは『時間的持続性ないしは継続性を持った概念』であり、就職・出世・現在の仕事等の詳細や成果を指す言葉ではなく、「働くことに関わる継続的なプロセス、そして働くことを含むその人の生き方そのもの」を指しています。
いわゆるキャリアを積むということは、職種や仕事の内容で経験を積むという事だけではなく、「その仕事に取り組むことで学べる知識、身につく技術・経験、さらには磨かれる人間性」、そしてプライベートや家庭も含めた「自分自身の生き方を磨いていく事」と言うことなのです。

新型コロナ感染騒動がもたらすもの

ご存知のように現在私たちが直面しているのは、未だ経験したことも無い事象であり、大きな変化です。
世界恐慌以来の不景気と言われる経済の失速。
企業は従来の事業の見直しをせざるを得ない状況に直面し、今まさに大きな変革を余儀なくされており、サプライチェーンの構造、顧客対面型の営業、商品販売のルート、既に動き出している新規事業など全ての見直しが急務な状況です。

そしてその起点となっているのが、今回のコロナ騒動からくる
「国民一人一人のコミュニケーション、働き方や生き方」の考え方の変化と、「生活、文化などのあり方やそれらに対する価値観」など社会環境、経済環境の大きな動きです。

例えば、テレワークやウェブを活用した営業、セミナーなど時間や場所を超えた働き方、それらに関連した暮らし方や、私生活における家族との時間の使い方など、様々な変化が起こっています。
「働く」と言う観点から見れば、会社に皆が出勤している状態が企業活動だと考えていた常識(昭和的働き方)は、既に過去のものと捉えられ、時間管理労働評価から成果評価主体のものへと移行しつつあります。
また書類・ハンコと言う紙文化から一気に電子化の流れに移り、一番遅れていると言われた役所でさえ利用者の声を受け電子化、オンライン化に動いています。

現在は人も仕事も事業も継続し生き延びることが最優先なので、当面は不安定なビジネススタイルで模索しながらも、この大きな変化に対応していくことでしょう。

個人のキャリアデザイン、意識はどう変わる

従来のキャリアデザインでも、抜け出せない就社意識や会社依存、そして終身雇用制度の崩壊や定年後再雇用制度の導入を受け
「理想的なキャリアの描き方がわからない」と悩む人は増えており、さらには仕事だけでなくライフスタイルや学びまで必要と言われ。「何をどうすれば良いのか」と自問自答しながらも、現状を変えられない人は未だ圧倒的に多くいました。

しかし今回のコロナ騒動を受け、今後は間違いなく、
「何を大切にしていくのか、どのように生きていくのか」
「そのためにどんなこと(仕事)をどのように(スタイル)行っていくのか」
と言う選択を求められてくるでしょう。

より自分が考える個人の幸せを追求し、仕事と暮らしや家庭を上手くバランスを取っていくことを最優先に考える人が増えます。
また、この変化を通じて生まれた時間や新たな人間関係を上手く活かして新しいステージにトライする人も出てくるでしょう。
これからは仕事、会社と言う手段や場より、より個人の生き方や考えに軸を置いたキャリアデザインが求められるようになります。

転職や仕事探しについても、条件や内容よりも、生き方、家族との暮らしなどの「個人が望むライフスタイル」を前提に、自身と社会のかかわり方「会社と個人の関係=帰属・契約」など、各自の方向性が明確に求められ、新たなステージ探しはその観点から行われるでしょう。
もちろん企業もその点を踏まえ、十分に活躍してもらう為の雇用に変わってくることでしょう。