以前の記事「黒字リストラと業績不振リストラ 両方が始まる」で、従来の黒字リストラに加え、新型コロナウイルスの影響を受けている企業が従業員のリストラを始めるだろうと
予測しましたが、やはり始まったか!と言う感じです。
2020年1-3月 上場企業「早期・希望退職」実施状況(東京商工サーチ)
今年1~3月に早期・希望退職者を募集した上場企業は23社(前年同期11社)で、前年同期の2倍増のペースで推移しています。
2013年(35件)以来、7年ぶりのようで、従来の経営環境を見越した“黒字リストラ”に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、業績下方修正を余儀なくされる上場企業の早期希望退職者募集が始まっています。
現状では、以前より黒字リストラを発表していた小売・食料品やアパレルなど40代~の社員に対する早期希望退職の募集がまだメインですが、新型コロナウィルスの影響からインバウンド需要減に直接的に関係している企業が徐々に追加発表されています。
外国人観光客向け商品販売、旅行業、貸し切りバス運輸業、そして旅行予約サイト運営会社などです。
本格的リストラはこれから始まる
東京商工リサーチの見解では、「3月決算発表が出揃う5月中旬以降は、“黒字リストラ”といわれる業績堅調な企業の人員削減以上に、業績不振による“従来型”の赤字リストラによる退職者募集が増えることも懸念される」とあります。
今期の決算を受けて、以降の経営計画を立てる際に最大の課題は、今後経営環境に対し乗り切るための組織・人員体制についてです。
早期希望退職者募集による人材のスリム化を株主総会で合わせて発表する企業も出てくるのではないでしょうか。
また、以前より黒字リストラを発表していた企業が、対象者の範囲の拡大や追加など人数を増加する動きも出てきます。
現に昨年、三菱UFJ銀行が2023年度までに6000人減を公表していましたが、今年4月、さらに2000人を上積みし、8000人の人員削減を発表しました。
構造改革の更なるスピードアップを目指し全国500店舗を200程減らし、一方で窓口業務を絞って限定した軽量化店舗を増やす予定のようです。
昨年、一昨年より進んできた「黒字リストラ」とその計画の前倒しや人員増加。
そして新型コロナウィルス感染の影響により5月決算を受けての発表される「業績悪化によるリストラ」は、コロナ終息の時期によっては、まだまだ追加の人員削減があってもおかしくないでしょう。
個人の生産性や成果が見えにくい中高年層。
リモートワーク、テレワークで、ITリテラシーの低さ、仕事内容が明るみになっている中高年層。
これから増え続ける早期希望退職の対象になる可能性は大です。
管理職、ベテラン社員として現在勤める会社の今後を憂える気持ちもあるでしょうが、明日は我が身かも知りません。
せっかくの在宅期間。家族と過ごす時間。今からでも、次のステージ、働き方を模索しておくいい機会です。
そしてこれからの長い仕事人生。
何よりも自分自身が何をしたいのか? どう働いていきたいか?
もう一度花開かせることを、是非考えてみてください。