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希望退職者募集 業界広がる

希望退職者募集の業界が広がる

昨年までの将来を見越した黒字リストラに加え、一連の新型コロナウィルス感染の影響から、今年後半は、昨年あるいはリーマンショック時を上回る勢いで、大手企業の早期希望退職者募集が展開しいます。
9月末の半期決算を受けての業績予測から10月以降も社数は大きく増加しており、以前の「大手企業 希望退職者募集が短期スパンで本格化」の記事でも触れたように、今回の傾向は、募集告知から締め切りまでが通常半年から一年に対し、募集一か月、三カ月で退社までと言うような短期間で行われており、いかに企業が人員削減を急務としているかが見てとれます。

新型コロナウィルス感染の影響で話題になったのは、旅行、観光、飲食、小売りなどステイホームの影響を大きく受けた業界で、全日空、日本航空、JR各社、JTBなどの旅行関係、ホテルチェーン、居酒屋チェーンなどの飲食業が次々に、社員の出向や早期希望退職者募集を発表していましたが、ここにきて色々な業種が改革、人員削減に乗り出していきいます。

11月に入っても
・放電精密加工研究所 約60人
「主力の放電加工・表面処理事業が新型コロナウイルスによる航空業界の低迷で大幅な需要減」
・三菱ケミカルホールディングス
「ジョブ型の人事制度を管理職で始めたことに伴い、管理職を中心に希望退職募集」
・エイベックス 100人
「新型コロナウイルスの影響で興行・イベント中止、9月中間純損益は32億円の赤字」
・タムロン レンズ製造 200人
「スマートフォンの普及で縮小傾向が続くデジタルカメラの需要が、新型コロナウイルスの影響でさらに落ち込む」
・青山商事 400人
「コロナ禍によるスーツ需要の低迷。160店舗閉鎖」
・リケン 150人
「自動車や産業機械に使われる主力製品のピストンリングの需要が大きく落ち込み」
・三菱製鋼 約100人
「新型コロナウイルス流行が打撃となり、建設機械向けの特殊鋼などの需要が減って経営環境が悪化」
・ムーンバット 約40人
「洋傘の主販路である百貨店販売が新型コロナウイルスの影響で落ち込む」
・デサント 110人
「グローバル路線からアジア市場へ事業の集中に伴う構造改革の一環」
・ロイヤルHD 200人
「コロナ下で外食産業では経営環境の悪化と、国際線の旅客数の落ち込みで機内食事業が低迷」

など(一部紹介)製造メーカーサプライヤーからファミリーレストラン、建設機械資材から洋傘まで、コロナの間接的な影響から希望退職者を募っています。

早期希望退職ではなく希望退職

そして従来は、定年前の40代~50代を中心に、早めに退職を推奨する「早期希望退職」と言う表現でしたが
今回は、「早期」が無く、単なる「希望退職」が増えてきているのです。
年齢や在籍年数にとらわれない、赤字部門、将来性が見えない事業に携わる社員からの募集の形かもしれません。
そして、ステイホームの影響だけでなく、日々の暮らしの変化、働き方の変化など、これから大きく変わっていくに連れて直接的な影響だけでなく、間接的に影響が出る業種がまだまだ出てくると思われます。

様々な業界、業種に於いて、年齢に関係なく
「これから変わる生活、働き方、暮らしに対し、自社の事業、自分の仕事はどんな繋がり、影響があるのかをよくよく考えてみる必要」が出てきているのではないでしょうか。