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テレワーク導入で問われる中高年社員の仕事

テレワーク導入で解る課題

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、様々な企業でテレワークがスタート。
2月25日に政府が発表したテレワークと時差出勤の推奨を受けて、現在多くの企業がテレワークを実施しています。
それよりも早く電通やパナソニック、資生堂、日清食品、NECなど大手企業が本社の社員中心にテレワークを発表したこともキッカケになったのもあるでしょう。

今回のウイルス騒ぎ以前から、働き方改革の一環でテレワークが推奨されていたことはご存知の方も多いでしょうが、前向きな企業が少なかったのも事実です。
今回の騒ぎを機に改めて多くの企業がテレワークに本腰を入れたことで、さらに本格的に普及していくのではないでしょうか。

テレワークの概要については、詳しいサイトが多々あるので興味ある方は見ていただければと思いますが、企業が導入に当たって検討する大きな要素は二つです。

  1. ハード、ソフト、ツール、通信などのテレワークの為の環境
  2. 出社せずに働くことの労務管理

確かに環境を整備することと、実際のテレワークによる労働をどう管理していくかは重要です。
しかし、実際にテレワークをスタートした企業が直面している課題は別の所にあるようです。

それってテレワーク?

テレワークを行っている企業では実際にこんな話が出てきています。

  • システム管理部門がテレワークしている社員のパソコンを遠隔監視。スクリーンセーバー状態になったら注意!!
  • 始業から終業までの時間スケジュールを提出。ランチタイムは12時から一時間と規定。
  • 個別の業務やタスクの完了を本社の所属部門の上司にその都度電話連絡。
  • テレワークに向いている職種が会社に認められず、そうでない職種がテレワーク。
  • 自宅以外にカフェやレンタルワークスペースなど、どこで仕事をしているかを都度報告。
  • テレワーク用ノートPCを順番に使う為、毎日違う社員が交代でテレワーク。
  • テレワーク中にもかかわらず6割以上の人が押印やサイン、紙書類の確認などで出社。

思わず笑ってしまいそうですが、実際に起きている話です。

定時に出社し、皆顔を揃えデスクに座っていることが当然と言う感覚(ブルーカラー系労働管理)が根付いている日本企業にとって、社員が出社せずに仕事をしていることに対する不安や不信感から、無理やりでも管理しようとするおかしな策です。

根本にあるのは、会社に出社し皆が顔を揃えないと業務は進まないと言う強い思い込み、勤務日数や時間で働くことがベースとなっている人事評価制度と、未だ紙ベースの書類文化。
そして業務を明確に分解した上でのテレワークではなく、形式としての在宅勤務にしていることなど、働き方を本気で変革できないことです。

テレワーク

テレワーク導入によって中高年社員が丸裸に?

今後テレワークの普及に伴い、上記のような課題も解決していくことなるでしょう。

課題解決の要点としては

◆現在の全ての業務分析、業務フローの見直しが始まり、どの仕事のどこの部分はテレワーク化できるかどうかの判断が成され、曖昧なものは全て除外されていく。
◆紙ベースの書類文化から電子化したファイルを共有する流れになる。
◆出社、労働時間、作業量ベースの評価から、「成果」重視の評価に変わる。
◆社内コミニュケーションの面も、ワイワイガヤガヤの仲間風土から、WEBミーティングなど通信インフラを活用した無駄をなくし効率性を求める方向に変わる。

その流れの中で一番可視化されるのが、中高年社員、管理職の方々の仕事内容です。

話題の“働かないおじさん”はもとより、許可・承認業務、無駄な会議、社内ネゴ、上役フォローなどに邁進していた中間層は、仕事の内容を可視化され、具体的成果を求められ、ITリテラシーまで問われます。
その会社にとって必要な人材か否か、その存在意義を問われる流れになるかもしれません。
一部、テレワーク向きで無い「製造、対人販売・接客サービスに関わるような職種」は、人のマネージメントが重要な為、仕事としては残るでしょうが、既にテレワーク導入で、仕事が無くなってきている中高年社員も出てきています。いや正確には元々大した仕事が無かったことがバレたと言ったほうが良いでしょう。

昨年から続く、企業の若返りと新技術グローバル化に対応する業態の変革の為の黒字リストラ。
新型コロナウィルスの影響などでの業績下降、事業見直しによる人員整理。
そしてテレワーク導入の為の業務内容と成果の可視化によるリストラ。

自分は大丈夫と思っていても、中高年社員にとって本当の修羅場はこれからなのかもしれません。

(編集部)

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