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平凡なサラリーマンが第一線で活躍する社会保険労務士に!           〜50歳で転身した「自称元ダメサラリーマン」に聞く〜 最終回

第一回第二回に続き、話題の本『おじさんは、地味な資格で稼いでく』の著者であり、自らも50歳で一念発起して資格をとり、現在は社会保険労務士として第一線で活躍されている佐藤敦規氏のインタビュー。
最終回は、「法人営業で大事なこと」そして「社労士に興味があり、やってみたいと考えている中高年の方へのアドバイス」についてです。


※本インタビュー内容は、学ぶ働く研究所(株式会社パセリホールディングス)主催で行われたものを、研究所及び佐藤氏の許可の元、引用しています。


法人営業で大事なこと

(学ぶ働く研究所 : 以下学) 佐藤さんは現在の事務所でかなり売上げを上げていると伺っています。そのような経営者に対しての営業面で大事なことは何だと思われますか?
(佐藤敦規氏 : 以下佐藤 敬称略) 法人向けの営業活動、顧客企業の獲得で重要なのは『いかに経営者に寄り添えるか』という事だと思います。中小のオーナー社長は癖のある個性的な方が多いので、そこにどう合わせていくかがポイントなんですね。例えばメールより電話や対面を好む方が多かったり、そこに合わせていくことが必要ですし、即断即決のタイプの方も多いので、資料作成に時間をかけるより簡単なもので即断即決に持っていくなどしています。
また気が早い人も多く、時間外に携帯電話をいきなりかけてきて長話とか(笑)。最初は「時間外に長電話って」と思いましたけど、実はそれで信用をいただけたりするんです。経営者の方もなかなか相談する相手が居ない場合があるので、そこにうまく対応することが大事。実際の経験で学んだことも多いですね。
さらにオーナー企業の場合、経営者の知りあいの社長さんの紹介など、思ったより出できます。よく法人営業は大変だと言いますが、最初に数社ぐらいお客さんの信頼を得ると、それぞれの会社がまた紹介をしてくれたりするので、あとはだんだん積み重なっていく感じです。現在は顧問契約20社、その他10社で約30社の企業を担当するまでになりました。
サラリーマン、特に大手に勤めている方だとなかなか自分の仕事の成果が見えにくいですが、社労士の仕事は顧客と関係が近いから成果が見えやすいですし、やりがいがありますね。

社労士に興味があり、やってみたいと考えている中高年の方に

(学)現在、中高年サラリーマンは色々な面で厳しい状況に置かれています。そんな中、佐藤さんのように社労士の資格を取って、やってみたいと思っている方も多いようです。そんな方々に何かアドバイスがあれば?
(佐藤)そうですね。周りの同世代の中高年を見てますと確かに『閉塞感がある』というのは感じますし事実だと思います。一つコロナの騒動が起こる前から、企業がIT化やAIの活用などで中高年の存在意義が問われたり、それから結構『ハラスメント(注1)』というのが大きいのではないでしょうか。パワハラ、セクハラ、50代ぐらいの昭和の感覚の人って色んな面で非常に肩身の狭い思いをしてるんじゃないかと思いますね。もちろん一部先頭を走っているような方はそうでもないでしょうけど、それ以外の大半の人は先行きに不安を感じている方は多いと思います。今の仕事に対しても色んな面でやりづらいなと感じている人は多いと思います。かなり大手の会社でも早期退職が始まっていますし。
社労士についてですが、まず士業の中でも仕事の範囲が広いです。税理士とかは企業に対してやることが割とカチッと決まっていますけど、最初にもお話ししたように働き方改革の推進によって、社労士の仕事は多岐に渡り、その需要は益々高まってくると思います。
そして経営者、特に中小企業の経営者は高齢の方も多い。だから社労士は年齢行ってからもチャンスは有るんじゃないかなと思うんです。総務や人事の仕事をして来なかった人でも、前職の経験を活かして活躍している先生もいます。
そして会社勤めされているサラリーマンの方で、今の仕事がうまく行かなくても全てが駄目だと思う必要は無いんじゃないかと思います。スポーツでも球技などのチームプレーが駄目だった人も個人プレーは行ける人もいる。
士業に限らず、独立、開業はそれぞれ厳しい面はあるとは思いますが、サラリーマンで駄目だから他の方面で駄目だというわけではない。私が良い見本です。
別の道に進むには勇気がいります。ですが、自分を信じてやってみたいことに是非トライしてもらいたいと思いますね。
できれば、資格試験は一回で合格で(笑)

【編集部から】
法人営業の決め手は対経営者への対応だと言う佐藤氏。確かに中小企業の経営者、特にオーナー経営者は個性的な方が多く、杓子定規的な営業スタイルでは難しいでしょう。大手企業の営業経験者など以前の会社での営業スタイルが抜けず中小オーナーに受け入れられにくいと言います。相手に合わせる柔軟な発想と、相手の懐に飛び込み、寄り添う気持ちが大切なようです。
中高年の方には、営業面だけでなく士業としての独立に不安のある方も多いと思いますが、営業の仕事をされていなかった方も多数活躍されているよです。
まずは成功されている先駆者のノウハウなど情報を収集し、自分と同じようなキャリアの方の体験や考えを聞くことから始めてみると良いでしょう。
今回お話を伺った佐藤氏の著書にも、具体的な法人営業活動のポイントがまとめられています。そちらも是非参考にしてください。


注1 . 令和元年6月5日に女性の職業生活における活躍の推進等に関する法律等の一部を改正する法律が公布され、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法が改正されました(令和2年6月1日施行)。改正により、職場におけるパワーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となっている。

参考サイト
社会保険労務士試験オフィシャルサイト(全国社会保険労務士会連合会 試験センター)
社会保険労務士になるには|資格取得の最短ルートと講座の資料請求について(Blush Up 学び) 
企業の労働者と保険に関するスペシャリスト 社会保険労務士(当サイト 40代50代転職に向けたスキル・資格)


【佐藤敦規氏 紹介】

『社会保険労務士。中央大学文学部卒。印刷業界などを中心に転職を繰り返し窓際族同然の扱いに嫌気がさし、50歳手前で社会保険労務士試験に挑戦し合格。社労士として新規顧客100社を開拓し、現在は約30社の顧問契約に携わり第一線で活躍中。各種セミナー講師、「週刊現代」「マネー現代」「THE21」などの週刊誌やWebメディアの記事も執筆している。

【著書紹介】

『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(クロスメディア・パブリッシング・3刷) Amazonベストセラー。実際にダメサラリーマンから50歳で一念発起して社労士の資格をとり、転職、独立を経て、平穏で充実した生活を手に入れた著者が、資格をとって人生を挽回するための秘訣を公開する。Amazonはこちら