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平凡なサラリーマンが第一線で活躍する社会保険労務士に! 50歳で転身した「自称元ダメサラリーマン」に聞く 第一回

数年前より始まった黒字リストラ、さらに今回の新型コロナウィルスの影響によって多くの企業が早期希望退職を勧めており、40代、50代のサラリーマンにとって、今後もさらに厳しい環境になっていきます。

人生100年、70代現役とも言われる現在、今まで以上に長い期間、どのような仕事をしていくのか。
今回、様々な選択肢の中で、会社員勤めから一転して社会保険労務士と言う企業相手の士業に転身し、自らの著書『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』がAmazonベストセラーとなり話題になった佐藤敦規氏にお話を伺いました。

「50歳にしての資格取得、転身は遅くはないのか?」
「社会保険労務士の仕事とは? 活躍するためには何が必要なのか?」
「AIに取って代わられると言われる士業についてどう考えているのか?」
など、多くの中年サラリーマンが気にしていることも交え、佐藤氏自らが経験を通して感じたことを本音で語っていただきました。
第一回目は「社会保険労務士に興味を抱いたキッカケ」「資格取得に至るまでの勉強」についてです。


※本インタビュー内容は、学ぶ働く研究所(株式会社パセリホールディングス)主催で行われたものを、研究所及び佐藤氏の許可の元、引用しています。


社会保険労務士に興味を抱いたキッカケ

(学ぶ働く研究所 : 以下学) 佐藤さんがそもそも社会保険労務士に 興味を持たれ資格を取得しようと思った理由は何だったのですか?
(佐藤敦規氏 : 以下佐藤 敬称略)以前、消えた年金問題(注1)というのがありましたよね。これからの年金はどうなっていくのかが話題になって、よくよく考えてみると年金と言うのは仕組みも複雑で、学校では習わないし良く解らない。年金に対する問題は今後需要があるのではと思って興味持ったのがキッカケです。そして社会保険労務士と言うのが行政関係で活躍しているというのを聞いて、その仕事、資格に興味が湧いたわけです。
当時、印刷業界で長く働いていたのですが、印刷物が減ってきていることもあって、特殊な会社以外は横這い状態の会社が多かったですし、給料も上がらない。行く先の不透明さもあって資格を取ろうと考えたのが出発点です。その方向に進もうと会社は50前に自主退社しました。

資格取得に至るまでの勉強

(学) 社会保険労務士の資格は国家資格ですね。受験希望者も多く、合格率は低く難しい(注2)と言われていますが、情報収集や試験対策などどのようにされたのですか?
(佐藤) まず社労士の資格試験がどんなものなのかを知るために、初めは合格体験記みたいな本を参考にしてテキストや問題集を買ってきてやり始めた感じですね。
ただ本にも書きましたが、独学でやった結果、かなり厳しいものがありました。
実は社労士の試験には三回落ちて、四回目にやっと合格したんです。本当はスクールも通いたかったのですが、印刷業界で仕事が忙しくて通う余裕が無く断念しました。特に一回目は、たぶん同じような考えの人は多いと思うんですけど、ほとんど勉強しないで「取りあえずどんなものなのか」「どんな試験なのか」を知るために試しに受けてみようという感じでした。さすがに最後の合格した年は予備校の通信講座を受けましたね。
勉強で言えば、例えばFP(ファイナンシャルプランナー)や簿記2級ぐらいでしたら独学でもいけるかもしれません。ですが、ある程度の難易度のもの、例えば社労士や宅建などになるとスクールに通ったほうが合格の確率はずっと上がると思います。
資格試験ではいわゆる引っ掛け問題みたいなものが多く、大学入試みたいなものではなくどちらかと言えば訓練みたいな感じです。時間内に大量の引っ掛け問題をいかに正確に解いていくかを求められるというものが多いです。
知識を持ってそれなりに理解しているだけではまだ不十分なところもあり、単にスクールに通っていても、それだけでは足りないと思います。実際、スクールや先生に頼って講義を受けるだけに力を入れて、結果的に失敗している人もいますしね。
私の経験から言えば、試験対策としてはスクールに通ったり、通信講座を受けながら、さらに自分で手を動かして過去問題をやるとか演習を積んでいく方法が一番良いと思いますね。(第二回に続く)

【編集部から】
社会保険労務士の存在を知ったのは年金問題がキッカケとのこと。
確かに士業のような専門的な仕事については、例えば仕事の人間関係を通して、交換した名刺の肩書を見て、経済誌やネットの記事、テレビなどメディアを通して、日常の様々な場面で色々な専門家のことを知ることは多いでしょう。
興味が湧いたらちょっと調べてみる。そんな些細なことでその後の人生が大きく変わるのかもしれません。
試験対策の勉強も当初は独学。佐藤氏も言うように時間があればスクールに通うのが早道のようですが、社会保険労務士の試験は合格率も低く、限られた時間内で大量の問題を正確に答えることを求められるため、スクールや通信教育と同時に個人の自主学習が求められるようです。
インタビューにもありましたが、士業などの資格試験対策としては過去問題による演習が効果的と言われています。専門学校生や大学生のように試験対策や勉強に集中できる状況であれば別ですが、仕事をしながらのサラリーマンであれば、通勤時間帯や帰宅後、休日などを如何に有効に活用するかがポイントのようです。
次回、第二回は「佐藤氏の社会保険労務士としての現在の仕事」「仕事の難しさとやりがい」についてお届けします。
参考サイト
社会保険労務士試験オフィシャルサイト(全国社会保険労務士会連合会 試験センター)
社会保険労務士になるには|資格取得の最短ルートと講座の資料請求について(Blush Up 学び)
企業の労働者と保険に関するスペシャリスト 社会保険労務士(当サイト 40代50代転職に向けたスキル・資格)


【佐藤敦規氏 紹介】

『社会保険労務士。中央大学文学部卒。印刷業界などを中心に転職を繰り返し窓際族同然の扱いに嫌気がさし、50歳手前で社会保険労務士試験に挑戦し合格。社労士として新規顧客100社を開拓し、現在は約30社の顧問契約に携わり第一線で活躍中。各種セミナー講師、「週刊現代」「マネー現代」「THE21」などの週刊誌やWebメディアの記事も執筆している。

【著書紹介】

『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(クロスメディア・パブリッシング・3刷) Amazonベストセラー。実際にダメサラリーマンから50歳で一念発起して社労士の資格をとり、転職、独立を経て、平穏で充実した生活を手に入れた著者が、資格をとって人生を挽回するための秘訣を公開する。Amazonはこちら