会社勤めをやめようと考えた理由
会社をやめようと思った一番の理由は「自由な生き方をしたい」という本当にシンプルで不純なものでした。
私の勤めていた会社は、個人のスキル・個性を伸ばすという文化で非常にやりたいことがしやすい自由な職場でした。一般的な会社に比べたら、はるかに自由の利くいい会社だと思います。
一方で、その自由が一定の枠の中で回されていることにも気がつきました。
また、ある程度の年齢になり、自分がマネジメントする側に回ると、当然自分自身のスキルを伸ばしている時間は無くなります。
そんな中で、会社の仕組み・文化・システムについていくら学んだところで汎用性は全くなく、会社の外に出たらこのスキルは通用しないことに気づきました。
それならば自分自身に役立つスキルとは何かについて考えるようになりました。
結果自分の中での結論は「いつ会社から放り出されてもいいように、自分自身のためのスキルを身につける姿勢で仕事に取り組む」ことが大事だということになりました。
独立するプロセスで何を学んだか
独立するにあたって学んだことは多数あります。
一番大きなところで人脈は気になりました。人脈を作っておかないと、独立後仕事が得られないのではないか…そんな思いがあったからです。
会社帰りに異業種交流会に行ってみたり、昔お世話になった別部署の上司に話を聞きに行ったりなど、いろんなことをやってみました。
でもその当時頑張って作り上げた(作り上げようとした)人脈は、結局その後ほとんど役に立ちませんでした。それは、自分自身が今後何をしていくかを確立していない状態だったため、人脈などあったものではないのです。
・人脈を作る前に、まず自分自身を作ること。
・人脈は作るものではなく、出来上がっていくもの。
この2つは独立するにあたって、私の心に強く刻まれました。
家族の同意と反対について
家族は当然不安だったと思います。
でも、会社員時代の副業である程度の実績を示していたので、全くの無謀とは感じなかったらしく、比較的同意は簡単でした。
ただ1点だけ、独立する際に見落としがちな「健康保険」と「年金」については渋っていました。健康保険・年金共に会社員というのはしっかり守られていて、独立してしまうとそのメリットは3分の2くらいになってしまいます。
会社員と独立の大きな違い
会社にしがみついている同年代のことをはじめは「いつまでそんなことをやっているんだ」という思いで見ていました。自分の好きなように生きることの素晴らしさを伝えたかったのです。
でもある程度世界が一回りすると、会社員には会社員の良さ、独立には独立の良さがあるということがわかりました。
時間を消費することで安定的にお金がいただける会社員の人へ。毎日つまらないと文句を言ってはいけません。
語弊があるかもしれませんが、会社員は「時間」を売って生きています。
朝通勤電車に乗って、定時に会社に行き、お昼休みをスマホで時間を潰し…。そんな一見単調な時間の過ごし方で給料をいただいています。
一方、独立したら時間は売らなくてすみます。その代わりに「信用」「アイデア」「コミュニケーション」を自分自身で築き上げなければいけません。
そして、仕事は自分の手で選定し、掴んでいかなければいけません。どちらを取るかです。
最近は会社員には会社員の良さがあることもわかってきました。
では会社員に戻りますか?と聞かれたらお断りするつもりではあります。
不安定な収入、四六時中仕事のことを考えなければいけないこと、いろいろ辛いこともありますが、何より「自分らしく生きられているということ」を大切にしたいと思います。
そして、会社にいる間に「自分自身のブランド」をそっと作っておくことだけは間違いなくオススメしておきます。
今後の働き方について
ここまできてしまったら会社員の様にフルタイムで時間を売る必要はないと思いますが、ある程度の時間を売って、ある程度の安定した収入を得つつ、自由な仕事を自分で選択していくという考え方もあると思います。
今の時代、一つの考え方にとらわれるのは危険です。
時間と脳みその両方を売る、ハイブリッド的な考え方も視野に入れつつ、本当の自由が来るのはいつなんだろうとあがいている日々です。