ご存知のように人生100年、70代現役などと言われ、間違いなく働く期間は伸びてきています。さらに終身雇用の終焉が話題になり、大手企業を初め中高年の早期希望退職募集が急増していく中、「どこに勤めるか」よりも「何の仕事をどのような働き方でしていくか」に注目が集まっています。
一社、または転職を繰り返し数社で働いたとしても、「会社に就職して仕事をすると言う働き方」は、誰しもいずれ期限(定年退職など)を迎えます。
早ければ40代後半で第一線を外れたり、早期希望退職で転職しても数年後にまた早期希望退職せざるを得ない状況は多々あるのです。
現在、政府は「働き方改革」において、一つの会社に依存することなくスキルを活かした副業や、会社外での活動など働き方の多様化を推奨しています。
そしてそんな中、徐々に増えてきているのがフリーランスと言う働き方です。
働き方は変わりフリーランスは増加する
クラウドソーシング大手のランサーズが毎年発表している「フリーランス実態調査」では、現在1000万人が「広義のフリーランス」として働いているとのことです。
広義のフリーランスとは、完全にプロフェッショナルで勤務先の無いフリーランス(自由業系フリーワーカー)だけでなく、1人で個人経営、法人経営(自営業系独立オーナー)や、2社以上の企業と契約ベースで仕事をしていくスタイル(複業系パラレルワーカー)、そして雇用先以外に副業をこなす(副業系すきまワーカー)などを全部含める呼び方です。
※引用 「フリーランス実態調査2020」ランサーズ株式会社より
現在、おおよそ6人に1人がフリーランスとして働いていています。
フリーランスはこれまで「生活が安定しない」「保障がない」など不安定要素が指摘され敬遠されがちでしたが、近年、企業のアウトソーシング意向の上昇や、クラウドサービス、クラウドファンディングなどネット上のプラットフォームが急速に充実してきており、これらがフリーランスの人口を急上昇させている要因です。
この記事をご覧の皆さんの中にも、実際に自分の会社でもクラウドソーシングを活用し外部に依頼している方も多いのではないでしょうか。
フリーランスで働く一番のメリットは、「時間と場所に縛られない働き方」や「収入アップが見込めること」などが言われていますが、実際にフリーランスの方の声を聴くと「働く機会の増加」「人間関係ストレスの軽減」そして、何と言っても「年齢に関係なく働ける」ことを上げています。まさに働き方の多様化の一つの現れでです。
コロナ禍でフリーランスは加速する
今回の新型コロナ感染の影響を受け、現在多くの企業はその業務の在り方を問われています。
このサイトでも各所で言及していますが、ウィズコロナ、アフターコロナのビジネス環境にあって、多くの企業が顧客の変化、そして商品、製品、サービスなどビジネスモデルそのものの見直しを行い、同時に社内のメンバーだけで業務をこなす従来型のスタイルから、少ない社員でより効率的に成果を出すために、外部を活用したプロジェクト型の業務の推進に転換。さらに今回のコロナ禍で経験したリモートワークによる業務のマネジメントなど、新たなスタイルでの業務改革に取り組み始めています。
今後、コスト削減や優秀な人材確保の目的で、クラウドソーシング活用する企業の数は益々増加し、間違いなく複数の企業、複数のプロジェクトに参加し仕事をしていくフリーランスは増加していくことでしょう。
また企業が社員の副業を奨励し始めた要因の一つに、自社以外の場での学び、知識や人脈のフィードバックだけでなく、将来的に個人スキルをアップし、スペシャリストとして再度その企業と「仕事による契約」で働くと言う、広義のフリーランスの形態を求めています。
すでに健康機器メーカーのタニタは、希望する社員を個人事業主として独立させ業務契約の形にすることで、仕事に対する意識を抜本的に変えたと言われています。
そして、フリーランス自身も個人スキルのアップはもとより、各企業各プロジェクトの成果を担うメンバーの一人として、各々の課題解決の為の幅広い知識経験や、新たな学びや自己啓発を求められており、現にスキルアップの為の自己投資は一般会社員の2倍と言われています。
政府は先日、コロナの影響もあり、「多様に働き方の拡大の観点からもフレーランスの適正な拡大が不可欠」として、フリーランス活用のルールの整備、契約書面の義務化、一方的条件変更、支払遅れは違法など環境の改善を提言しました。
今後、働き方が多様化し、働き方を選べるようになっていく中で、フリーランスと言う働き方は一つのスタイルとして確立していくと思います。
次の仕事、転職を考える前に、将来的にフリーランスな働き方も視野に入れ、クラウドソーシングサービスを調べてみたり、実際に働いているフリーランスの方の意見を聞いたり、
現在の自分の個人スキルを磨く自己投資を考えてみることをお勧めします。
PS:「職業は?何の仕事をしているか?」と聞かれ、会社名を言うのは日本人だけで、海外から「?」と思われるようです。働き方もグローバルスタンダートになっていくのだと思います。
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