厚労省が発表した「新しい生活様式」その①では、仕事の為には会社に出勤しなければならないと言う考え方について、その②ではオフィスと言う場所について考え方を紹介しました。
その➂は「会議はオンライン」についてです。
現在、政府、公的機関も自らオンライン会議を推進しており、22日の経済財政諮問会議に示した骨太方針骨子においても、社会や行政のデジタル化を進める考えで対面や押印を求める規制と慣行の見直しを掲げています。
オンラインによる会議、ミーティングについてはコロナ禍の中、既に民間企業では頻繁に行われており、病院のオンライン診療や市議会をオンラインで行っている所も出て来ており、今後、対面や集合によるコミニュケーションでオンラインを活用する場面は確実に広がっていくことでしょう。
オンライン会議は上手くいっているのか?
自粛要請を受け在宅によるテレワークが一気に広がった4月頃から、オンライン会議の開催に関して色々な話がで始めました。
「上手く進行できずいつも会議の2倍の時間がかかる」
「自分が話すタイミングの要領を得ない」
「信頼感が今一つ得られていないのでは」
「操作が解らない中高年がいる」
と、慣れないやり方への戸惑いが多く聞かれたり、一方では
「後ろに映る部屋をからかわれる」
「カジュアルな服装をチェックされる」
などのハラスメントもあり、本来の会議以外の事も話題になりました。
以前から企業内で遠方とのテレビ会議や、外部協力パートナーとオンラインやチャットで
コミニュケーションをとっていた会社はすんなりと移行出来たようですが、今回初めてテレワークを導入した多くの企業は、このオンライン会議のやり方でかなり試行錯誤しています。
紙の資料を配り順番に担当内容の発表するものや、決まったテーマについてディスカッションするスタイル、リーダーから一方的に報告される内容を聞いているだけのものなど、そもそもの会議のやり方が企業によってバラバラで、オンラインにした時にその向き不向きが露呈した形になったようです。
現在ではオンライン会議の為のツールの会社、ハード機器の販売会社が、オンライン会議のやり方をレクチャーするサービスを手掛けるなど、この「オンライン会議のやり方」は、大きな課題となっています。
オンラインでのマネジメントスキル
現在オンライン会議をやられている方は実感されていると思いますが、対面での会議や対話と異なり、オンライン会議独自のテクニックが必要です。
今後は従来から求められる社会人のコミニュケーション力、対人対応力、会話・営業力に加え、「オンラインによるコミニュケーションスキル」が重要なビジネススキルとして求められてくることでしょう。
特に、マネジメントの役割を担う管理職、リーダーの方にとって、オンライン会議を上手く進めることは、テレワークメンバーを含む事業のマネジメントの重要なファクターになります。
例えば、よくある隣の席に座るメンバーに唐突に「例の件、あの資料できてる?」と聞いても「明日には何とか」という返事で成り立っていた日常よくありがちな直接コミニュケーションも
オンライン会議になると、
◇会議用のアジェンダや進捗状況をチェックできるツールなどを事前準備
◇会議前には全メンバーに進捗状況、報告資料などを記入、共有させる
◇会議では出来るだけ、「あれ、それ」ではなく具体的な名称で話したり、参加者全メン バーに均等に意見を求める
◇時間内で解決しないことや質疑などは別に場を設け、その後の個別にチャットなどで対応したり、メンバー連絡や個別の報告は事前に時刻を決めて行う
と、より成果や必要業務とその期限を明確に把握する為のマネジメントが必要になり、かなり手間をかけて慎重に進めてく必要があります。
さらに参加メンバーへの指示やルール作りはもちろん、リーダー、マネージャーとしての自らのルールも設定していく必要があります。
マネジメントに必要な手数は上がり、相当な負荷がかかりますが、この機会に自己の役割をメンバーに上手く振り分けたり、以前のルールを思い切って変えることも新たなマネジメントになります。
今後、最初からテレワーク前提の社員が増えることも予想されており、多様な働き方への対応力が企業の競争力に直結してきます。
必要時には出社し、直接対話でマネジメント。
テレワーク、リモートワークにおいては、オンライン会議を上手く活用した別のマネジメント。
これからは転職活動を行う上で、テレワーク経験の有無に加え、オンラインマネジメントスキルが大きな武器になるはずです。