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就職活動前のインターンシップ

新型コロナウイルス騒ぎで、大学生に向けての会社説明会や面接がオンラインにシフトされています。さらには、インターンシップかオンライン化され、様々なアイデアで展開されています。

大学生のインターンに関しては、今年3月に大きな動きがありました。

インターン定義見直し~経団連・大学要望へ「選考の一環」(読売新聞より)

「経団連と大学側で作る産学協議会が、学生のインターンシップ(就業体験)を『教育活動』と位置付ける政府見解を見直しを求める方針を固めたことがわかった。事実上採用選考の一環になっている実態を踏まえたもので、31日にまとめる最終報告書に盛り込む」(読売新聞31日朝刊より引用)

大学生のインターンシップが教育活動だったこと、採用活動と関連付けないことが原則だったとは改めて知りましたが、以前から採用活動の一つとして認知されていることは周知の事実だと思います。

昨年の採用と大学教育の未来に関する産学協議会の中間まとめでも、元々インターンシップに期待する目的・効果については
教育プログラムとしての効果(今後の学びへの動機付け)、学生の人間的成長(職業観・就業観・キャリア意識の醸成)、業界・企業に対する理解による就職ミスマッチの防止・低減」などがあげられ、産学ともにその重要性を認識しているとあります。
今回より採用前提としたマッチングとしての方向を明確にしていくものと考えられます。
特に長期インターンシップは、受入先企業の業務や職種、業界に関するより深い理解に繋がり、ミスマッチによる離職の防止にもなるとして、大学側、企業側両方から評価されています。

逆にワンディインターシップと呼ばれていた一日限定のインターンは「実質的に会社説明会」と実情からインターンと呼ばない方向です。
何日間かの就業体験が、学生、企業にとってお互いを理解するのに一番良く、その後の採用にミスマッチを防ぐ効果が高いのは当然のことです。
社会人中途採用活動の一環で正式入社前に「試用期間」を設けている会社も同じ狙いです。

これから大学は、 学部1・2年次の実践的キャリア教育とその後の長期インターンシップに変わっていくと言われています。
結果的に入社しないまでも、インターンシップを通して学生は業界、事業・仕事を理解し自分を見直す機会になり、一方で企業はインターン学生を通して自社が本当に欲しい人材が明確になっていくと言う両者にとって良い効果をもたらす場となります。インターンシップは、人材の採用活動において、最も効果的なマッチングの機会になるのです。

中高年の転職にもインターンシップを!!

中高年の転職、再就職には残念ながらインターンシップはありません。
新卒と異なり、会社の事業成長に直接的に関与するコア人材の採用であるのに、応募書類だけでの選考やエージェントの紹介で職務経歴がやたら立派な人材との短い面談など、判断材料が少なく、それだけでは受入側企業は慎重に成らざるを得ません
結果的に中高年の就活は苦戦。無理に採用した企業も期待外れの人材では、以降の採用に積極的になれません。

こういう時こそ、インターンシップが有効です。

何年も実務経験のある現役の中高年社員ですから、何日間かの実際の就業体験でお互いが発見すること、理解しあえることは大学生の比ではありません。

企業側は即戦力として期待できるかどうか、本人は自分が活躍できそうかどうか、インターンを通して分かり合えること、気づくことは、後の採用に大きく結びつきます。
今後、就職活動は応募面接だけでなく、インターンシップで仕事、職場体験など、両者ともよりベストマッチングが生まれるように、検討する企業が増えてきて欲しいと思います。