新しい記事のお知らせ

行政の“ハンコ廃止” 企業も変われるか

行政のハンコ廃止

以前の記事「行政のデジタル化遅れ!! 自社はどうなのか!?」でも触れたように、急に襲った新型コロナ感染の影響で、助成金、給付金申請や、保健所の感染者数報告などであらわになった行政のデジタル化の遅れや、テレワーク中に「ハンコや資料だけの為の出社」などが問題視され、ついに政府も「脱ハンコ、ハンコ廃止」を打ち出しました。

参照:◆河野行革相 行政手続きで印鑑廃止を全省庁に要請 押印必要なら「月内回答を」(毎日新聞)
月内回答とはかなり急ピッチな改革ですが、それほどデジタル化の遅れに危機感があったのかもしれません。
実際にはハンコを無くすことが目的ではなく、デジタル化、ITの活用による行政の業務効率化とスピードアップのための一つの方策で、今後も次々に色々なものが廃止、変更になってきます。
現在行政には、ハンコを必要とする書類が一万以上あると言われており、月内に脱ハンコに向けた洗い出しと、別途方法論の確立に担当者は頭の痛いことでしょう。
さらに、ハンコ廃止には、今後の申請方法や決済を電子化する際のセキュリティの問題なども同時に解決していかなければなりません。
現に多くの企業でペーパーレス化に動いていますが、電子決済とセキュリティ、さらに運用面におけるルールづくりなど半年、一年をかけてじっくり取組むところも少なくありません。
業務効率化、スピードアップ、そして生産性の向上と経費削減。
行政のデジタル化推進は、単に行政の中の課題だけでなく、結果として利用者としての国民や企業の公的サービスの活用をさらに促進するものになると思います。

ハンコ廃止

ハンコの次は“書面とFAX”

行政のデジタル化、手続きのオンライン化を目指し、“ハンコ廃止”を打ち出した次の一手は“書面とFAXの廃止”です。
参照:■河野行革相「次は書面とファクスやめたい」(Yahooニュース)

ハンコを押すための紙の書類。その書類を送るためのFAX。ハンコを無くすことで、それらも同時に廃止していこうと言うものです。

以前の記事「行政のデジタル化遅れ!! 自社はどうなのか!?」でも書きましたが、世界中でこれほどFAXを使っているのは日本だけで、FAX王国と呼ばれており、アメリカではFAXは骨董品あつかいでスミソニアン博物館に展示されているのは有名な話です。

国内の企業では、オフィスにコピー・FAXの複合機が必ずと言っていいほどありますが、徐々に使われなくなってきているようで、特にFAXについては、企業間ではメールやクラウド共有に変わりつつあります。

一方で中小企業では未だ企業間取引をFAX活用しているところ多く、正確な書類での相互確認が受発注のベースになっていますが、今後、メールや管理系クラウドなどの活用が浸透すれば、FAXの必要性も問われてくることになるでしょう。

ハンコ、書面、FAX、ペーパーレス化を含むデジタル化の流れは、いずれも社内の業務効率化とスピードアップ、そして経費の削減を目指すものですが、一番重要なのは、顧客に対するサービスの効率化です。

行政のデジタル化が進むと、例えば企業の決算や納税、各種申請も電子化され、顧客としての企業や個人に対いし、面倒な手続きや時間を簡素化し利便性を高めるものです。

同様に企業のデジタル化は、自社内だけでなく、取引先、新規顧客、ユーザーへの利便性を高めることにつながることにつながるのです。

顧客接点、対外接点、社内だけでなくそれらの視点に立ってデジタル化を進めていくことが重要だと考えます。