主流人材とは
どの業界においても「主流人材」と捉えられている職種、仕事があります。
企業が拡大成長していく上で、コアとなる業務に携わる人材のことです。
各業界、企業によって異なりますが、おおよそ売り上げに対する貢献度や、生産性の高い仕事などが主流人材と捉えられてきました。
解りやすい例で言えば、自動車販売であれば販売担当者、不動産業界であれば営業担当者であったり、金融であれば渉外、メーカーであれば全国販売代理店担当、コンビニ業界であれば店舗開発担当者や商品企画担当者、サプライヤーであればメーカー相手の外商担当者、医薬品メーカーであればMRなど、彼らの活動と成果が企業の売上げに直結しており、その業界、企業内でその業務に携わる人材が「主流」だと考えられていました。
当然、他の職種より収入も高く(若干ではあるが)、仕事に対する裁量の範囲も広かったり自由度も高かったりと言う特権もありますが、一方で経営目標・売上目標(予算)を個人ないしはチームで半期、四半期で抱え常にプレッシャーと戦う仕事でもあります。
企業が拡大成長していく上で、コアとなる業務に携わる人材なので、その「量と質」を追い求めるのは当然の事で、新卒採用、中途採用などで未だ募集が一番多い職種、仕事です。
ある程度の数を採用し育成しながらチーム、部隊を組織化していくのがオーソドックスですが、より効率的に外資系金融、証券のように多額の報酬を提示しピンポイントで獲得に動ぐ場合もあります。
このように企業にとって、特に売り上げに直結するコアとなる主流人材の確保、育成は最も重要なファクターなのです。
ニューノーマルで主流人材は変わる
現在、多くの企業がウィズコロナ、アフターコロナを見据え、構造改革に着手しています。
同時に従来の営業活動やそれによるビジネススキームが通用しなくなり、新たなビジネスの形を模索し始めています。
対面型ビジネスをモニター越しに。訪問営業をオンラインで。展示会のライブ配信。直接販売をネット物販へ。
毎日のように多くの会社が新たなビジネスの形態やサービスの方式に取組み始めているニュースが流れています。
また、IT化や、DX、AIなどのテクノロジーを活用したビジネスへの転換を図る企業も出てきています。
■「非主流」人材が挑む三菱商事のDX、「勝つまでやる」(日経ビジネス)
記事では、「非主流人材」が、総合商社の産業に関するリアルな知見とデジタルを掛け合わせる事業の旗振り役として紹介されています。
DXはこれからのビジネスを変えると言われている中、IT戦略担当者を非主流人材と言うのもどうかなと思いますが、今まで商社を支えていた主流人材の捉え方は徐々に変わっていくのではないでしょうか。
しかし企業によっては、なかなか主流人材の捉え方を変えない、変えられないところもあるでしょう。「対面営業がベスト」「優秀な販売員がいれば良い」など今までの価値観、成功体験から抜け出せず、未だ自社の構造改革、組織改革に着手できない。
リモートワーク、在宅ワークに否定的な会社に多いのかもしれません。
一昔前、スーパーのレジは精算(チェッカー)と袋詰め(サッカー)の二人が居ました。
今は自分でセルフレジし袋詰めする時代です。時代、環境と共に無くなっていく仕事、逆に新たに求められる仕事が出てきます。
ニューノーマルと言われる時代にあって、自動車の販売が月定額制のサブスクリプションを推奨し始め、大手百貨店が店舗型ビジネスから会員制ネット販売にシフトし、損保、生保はネット販売、医療機関、専門学校、講座やセミナーがオンライン化していく中において、従来の主流人材の考え方は当然のように変わっていくのだと思います。