新型コロナウイルスの影響で、今や当たり前になりつつある「テレワーク」。
当面の感染予防の方策として、自宅待機の必要性から対処療法的になされてきましたが、
ここにきて大手企業が次々にテレワークの継続の本格的導入を発表しています。
参照:■【新型コロナウイルス】富士通、Twitterなどテレワーク在宅勤務の継続を宣言した企業14選(人事労務メディア 打刻ファースト)
従来の出勤をテレワークに変更するだけでなく、細かなルールはもちろん、コワーキングスペースの提供や各種手当に至るまで制度を整えています。
一方で本社スペースの削減やソーシャルディスタンスの徹底も同時に行い、いずれも企業存続の為の大きな経営判断と言えるでしょう。
ネットやテレビCMでも、業務系クラウドサービスと同様、テレワーク関連のツールが露出し始めました。
急激に成長しているビデオ会議サービス「Zoom」も、家庭で使うビデオ会議用端末の販売に乗り出すと発表するなど、今後テレワーク関連のビジネスは益々広がってくと思われます。
参照:■Zoom、在宅用のビデオ会議端末 日本でも2020年内投入(日経)
そんな中、企業向けではなく個人向けにも様々なサービスが始まっています。
テレワーカー向けサービスの拡大
今回、在宅勤務、テレワークを実施するにあたって、自宅での仕事環境に対する課題があらわになりました。
wifi環境の有無はもちろん、PCやWEBカメラ、イヤホンマイクやプリンターなどの機器の用意の問題。さらには書斎、仕事場所が無いという家庭事情など、実際に快適にテレワーク出来ない事情が数多く出てきました。
それらを受け、様々な業者がテレワーク用のコワーキングスペースや専用のサテライトオフィスを提供し始めています。
貸し会議室業者、カフェ、多目的スペース、そしてカラオケ業者などが、テレワーク用に通信環境やコピープリンターなどの機器、さらにドリンクサービスを提供し、ソーシャルディスタンスを守ったスペース利用を安価で提供しています。
参照:■東京のコワーキングスペース検索
また観光地のリゾートホテルが、宿泊設備を温泉付きのコワーキングスペースとして提供。リラックスできる仕事環境として売り出しています。
企業の方でも、スマホ決済のメルペイが社員がリゾート地や海外など好きな場所で働くことを認め移動や宿泊に最大20万円を支給する制度の導入を発表しています。
これから全国でテレワーカーは何百万人単位で増え続けます。
「時間や場所にとらわれずに柔軟に働くこと」を実現する為に、今後様々な業種が参入してくることでしょう。
自宅のオフィス化
コワーキングスペースの活用ではなく、自宅をオフィス化していこうと言う流れもあります。
「集中力が持続しない」「生産性が落ちる」と言われるテレワークで、自宅を快適なオフィス化しデメリットを解消しようと言うものです。
仕事効率に一番差が出ると言われるのが椅子です。高さを簡単に変えられるイスが仕事には有効とされておりネット物販ではオフィスチェアが売れています。
社員の自宅にオフィスチェアを無料デリバリーをしている企業もあるくらいです。
デスクは、会社でのものより広いものが売れており、パソコンモニターも大型のモノが売れています。
自宅をオフィスにするなら、より良い環境で仕事をしたいという気持ちの表れでしょう。
ちなみに、家具製造販売の大手ニトリは今期最終利益の25%増の要因の一つが、在宅勤務用の机と椅子の売上アップであると発表しています。
さらに自分の部屋、書斎が無い、オフィス化しようにも場所が無いと悩む方向けに、愛車をオフィスに!!するというアイデアも。
日産の「#OneMoreRoom」は、クルマをもう一つのオフィスに!! というコンセプトのもとに、車内でハンドルに設置する段ボールを使った簡易なデスクを提案しています。
周りの雑音に邪魔されず、自分だけの空間で仕事するためのアイデアの一つかもしれません。(参照:■NISSAN | #onemoreroom クルマを、もう1つの部屋に)
また自宅オフィスでの仕事から生まれるストレスと移動時間がないということが逆に極度の運動不足になりがちの為、脳の疲労回復を促す脳フィットネスや運動の為のストレッチアプリも登場しています。
こうした商品やサービスの出現は、テレワークを一層快適なものにし、出社して仕事する以上の効果をもたらします。
テレワークに関連するビジネスは、企業の働き方改革をより推進するとともに、優秀な人材の確保に向けた大きな土台になるのではと思います。