日経株価が下落し本格的不況到来が各所で叫ばれる中、連日、直接的な被害の大きい飲食・サービス・小売業などが独自の創意工夫でサービスを継続しているニュースが紹介されています。
店舗での提供メニューをテイクアウトに変える飲食店。
店舗販売からネット注文、商品宅配サービスに変更した小売り。
直接公演から動画配信にしているエンターテイメント。
買い物代行を始めたタクシー会社。
中には、オンラインで接客するバーの話まで出ていました。
このような創意工夫はもっと増えるでしょうが、いずれも本業を継続させるための数少ない手段であり、顧客対面ビジネス業種の苦戦はまだまだ続くと思われます。
業種・業界で見ると、
一般カスタマー向けでは
フード関連(デリバリー)、家庭用食料品メーカー及び販売(スーパー、コンビニ等)、衛生関連メーカー及び販売(ドラッグストア等)、ゲーム関連(ハード、ソフト、ネットワーク)、出版業(本、DVD等)、通信会社(インターネット、スマホ通信)、パソコン(ハード)、学習・教育(塾、通信講座)等。
また企業・ビジネス向けでは、
テレワーク関連(ハード機器、ツール)、業務系クラウドサービス、ネットショップ(生活関連用品物販)、医療関係(医薬品メーカー、ハード機器)などが、現在超多忙になっていると言われています。
やはり健康管理や、在宅・外出自粛を要請されていることからくる需要が大きいのでしょうが、中には元々成長すると言われていた分野もあります。
成田の検査で一躍有名になった発熱者感知などセンサー技術や、身近な所では、触らずに音声で感知するIot家電、保険のネット販売、面倒な現金の受け渡しと計算を無くすキャッシュレスや無人レジ、人を介した荷物の受け取りを無くす宅配ボックスなど、既に始まっていたビジネスが急な需要で拡大しています。
大手企業はどう対応していくのか
コロナ終息で人と人の非接触が解禁になっても、以前のような経済や暮らしに戻れないと言われています。
生活様式だけでなく、人々の「働き方、仕事観の変化」が大きいのです。
大手企業は、これからの経営環境の変化に対応する商品やサービスを開発し提供の方法に至るまで、新たな価値を生み出すことが重要だと認識し、
既存のマーケットだけではなく新たに成長分野に積極的に進出することでしょう。また従来の海外のサプライチェーン輸出入メインの構造や、対面営業主体の販売体制を見直す企業も出てきます。
そしてその企業活動においても、「定時に社員が出勤する」「時間で働く」と言う従来の就業の概念を変えざるを得ない状況になっています。
テレワーク、オンライン会議、書類の電子化、クラウド活用による情報共有、そして新たな社員の労務管理制度と評価。
今回の騒ぎがもたらすものは、本当の意味での「働き方改革」と言えるでしょう。
そして今後、企業が掲げる成長分野へと移行できない社員。新たな仕事スタイルに対応出来ない社員、成果を上げられない社員は、益々厳しい状況になっていくのかもしれません。