毎年のように年明けのニュースでは、その年の景気動向についてのコメントや、大手企業経営トップの年頭挨拶や経団連でのコメントが話題になりますが、今年は例年と傾向が少し違うようです。
普通は社会、人々などマーケットや顧客に対しての企業の取り組みをメッセージするケースが多いのですが、今回のものは、グループ内、社内と言った内側の話が多いように思います。(以下、ビジネス系ニュース、読売新聞、企業公式サイトでの挨拶より一部抜粋、敬称略)
2020年度も需要が大きく回復することはできない。厳しい環境は続くが抜本的な構造改革を遂行していきたい。(日本製鉄 橋本英二社長)
販売電力量と利益の減少が続くゆゆしき事態だ。収益力強化に向けグループ全員で取り組まなければならない。(東京電力ホールディングス 川村隆会長)
変革の時代、読みにくい時代は総合商社の時代。危機の二つの「き」の内、二つ目の「き」は機会の「機」です。世の中の危機の中にあるチャンスをものにすべく、今年も頑張っていきましょう。(丸紅 柿木真澄社長)
コンビニエンスストア業界は大きく変化しており、「改革は待ったなし」の状況です。社員一人一人が自身の意思でいかにこの激しい時代を乗り越えていくのか、出せる付加価値は何であるかを、本気で考え行動することを期待いたします。(ファミリーマート 澤田貴司社長)
将来が予測できないことを前提に戦略を準備し、変化に柔軟に対応できる体制を整えることが求められる。(三井物産 安永竜夫社長)
金融業界は非連続な構造変化に直面。次世代金融への転換に向けた取り組みを加速。(みずほファイナンシャルグループ 坂井辰史社長)
低収益体質からの脱却。勝ち方を見定め、実現に向けて迅速に手を打つ。(パナソニック 津賀一宏社長)
もちろん、五輪イヤーであることがビジネスチャンス、変革のチャンスととらえている企業も
ダイバーシティが重要なキーワード。男性や女性だけでなく宗教が違う社員も増えている。こうしたことが当たり前の年になる。(資生堂 魚谷雅彦社長)
五輪の間、首都圏の社員はよほど重要な案件以外、会社に来るなと言っている。働き方改革は相当進む。(キリンホールディングス 磯崎功典社長)
全ての内容ではなく一部だけ紹介しましたが、「変化、構造、改革、体制、収益」と企業の内側の課題、テーマに関するものが多いのです。
これら企業自身の課題を解決していく重要なファクターは「人材」です。
今後も各々の大企業が打ち出している方向性に必要な人材の確保や育成、その人材が活躍するに最適な体制づくりが求められます。
自社採用だけでなく、パートナー企業の人材との連携や外部人材の活用など目的達成の為の幅広い人材活用が求められてくるでしょう。
一方で、「自社の方向性に沿わない、合いそうにない、活躍が期待できない人材」の削減整理(早期退職希望者募集、リストラ)は必須なるでしょう。
特に「体質・収益・体制」をうたっている企業は、生産性が合わず圧倒的に大きい人件費の削減を、収益確保のために先手を打ってくるかもしれません。
現在大手企業にお勤めの40代、50代の方は、是非、自社のサイトの「代表による新年の挨拶」を呼んで欲しいと思います。
そこには、自身の今後を示唆する内容が含まれているかもしれません。
総会に参加された方、全てに読まれている方は良いですが、
「どうせ毎年同じ言、あまり興味がない」と読まずにいる方は、危機意識を抱いたほうが良いかもしれません。
最後に念頭に流れたニュースでエポック的なものをいくつかご紹介します。
大手もリストラ続出「脱会社時代」がやって来た!兼業マストに社員独立オッケー
(BUSINESS INSIDER)
銀行は大リストラ、証券も激変…2020年の金融業界に走る大激震(現代ビジネス)
パナソニック「働かなくても年収1500万円超」幹部に迫る大リストラ【内部資料入手】(DIAMOND ONLINE)
転職先でマウンティング 元大手の50代モンスター部下(NIKKEI STYLE)
(編集部)
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