まだまだ増える上場企業の希望早期退職者募集
平成から令和に変わッた今年、2019年。
東京商工リサーチ2019年10月9日のレポートでは2019年1月~9月に希望・早期退職者を募集した上場企業は27社。対象人数は1万342人と言う報告でしたが、最新の日刊ゲンダイデジタルのニュースによれば、今年1~11月で36社、対象人数は1万1351人で、昨年に比べ社数が3倍、人数も約3倍と急増しているとのことです。
さらに、来年以降に早期希望退職者募集を予定されている上場企業が7社もあるとのこと。参照 : すでに早期退職募集7社 令和2年に吹き荒れるリストラの嵐(日刊ゲンダイデジタル)
このまま2020年3末決算期を終え、春以降に早期退職者募集を発表されるであろう企業数はどれほどの数になるかは予想が付きませんが、今年の30数社を超える可能性は高いでしょう。あるいは、割増退職金による特別損失を計上するために1~2月にいきなり発表する企業が出てくるかもしれません。
今年取り沙汰れた産業界のニュースを見ても、そのテーマは
・大手グループの再編成、外資の導入
・金融業界の店舗縮小
・メーカーサブライアーの再編成や独立
・大手企業のAI関連ビジネスへの進出
・顧客本位の小売りサービス営業体制の見直し
・IT大手の合併、事業再編成
・人手不足による倒産増加
など、従来の事業そのものの在り方を根本的に見直すものや、近い将来を踏まえた新事業への方向転換やその為の人員体制の大幅な見直しなど、ある種共通した要素が垣間見えます。
企業の人材面においては「人手不足と言い続けながら、人が余ってくる」と言う一見矛盾した言われ方をしていますが、その内情は
「将来的に成長する分野へKEYとなる若手人材は全然足りないが、旧態依然とした成長に見合わない現事業に携わるベテラン人材は余剰状態にある」ということなのです。
〇〇年入社組の積み重ねで構成された大手企業の社内は、近い将来、専門スキルを有したキャリアアップを目指す若手転職組ばかりになるのかもしれません。もちろん、マネージメントもその道のプロの転職組でしょう。
人生一社就業の概念が崩れてくれば、シニア世代も「どこどこの会社で仕事をしていた。どこどこの会社にいた」と言う話から、
「何の仕事をしてきた」と言う複数の会社や起業をステージとして渡ってきた話が増えていくのではないでしょうか。
もちろん、70歳80歳まで働くことを推奨する世の中になる訳ですから、晩年も「何の仕事をしてきた」スキル・経験がそのまま活かされるケースが増えます。
「業績良いのにリストラするんだな」
「グループ再編、統合とか、あちらも大変だな」
などと、自社に動きが無いからと対岸の火事のように考えていては、遅きに失することになりかねません。
企業では40代、50代はベテラン呼ばわりされますが、そのビジネスキャリアは、たかだか20~30年。70代まで働くことを考えれば、まだ半分です。
これから、どんなステージで、何の仕事をしていきたいか
令和の新リストラは、会社にとらわれない自分自身の働き方を考える良い機会でもあるかもしれません。
(編集部)
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