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変わる就業観 そこで働く意味

「何のために働くか、どんな仕事をするのか」
「それをいつまでやるのか」
「その目的、目標は?」
いつの時代も問われてきた内容であり、その時々によって答えも様々でした。

ただ、働くうえでの社会・業界・会社と言った基盤や受け皿が大きく変動してきている現在において、就業に対する考えも変わってきているのは確かです。

一社就業モデルの崩壊

「人生100年!、70歳でも現役!」など漠然とした言葉が各方面でうたわれ、さらに終身雇用や年功序列制度の見直し、業績好調でも早期退職希望者募集のニュースなど、現在働く人の多くがこれからの先に対する不安を抱えています。
その不安の背景にあるのが、かつての日本の産業を支えてきた「一社就業」の働き方であり、「65歳定年」と言う日本型経営で育まれた価値観です。
一社就業の考えでは「今から別の会社に転職?」となり、65歳定年の考えからは「まだ働かせるの?」となるわけです。

以前であれば社会に出る際に、とりあえず一流企業・上場企業など大企業を希望し入社することを目的にすれば良い時代でした。
会社が用意したキャリアを進めば、何も考えることなく昇格昇給し終身雇用が保証されていたからです。
それが現在では、早期に退職を促され、その会社でしか通用しないスキル、キャリアしか持たずに、結果的に次のステージにも上手く移れずにいる多くの社員が出てきています。

時代は既に「一社就業完結型の働き方」ではなく、転職や全く違う世界への転身が珍しくない状況なのに、未だ昔ながらの就業観に縛られているのです。

昔から言われた企業30年説。同一事業の展開は30年で過渡期を迎え、業態の変革を余儀なくされるサイクルは、今後、20年、10年説と。さらに短いサイクルになるでしょう。
その中にあって、会社の用意するキャリアに委ね、年功制の報酬、終身雇用などに期待する
あくまでも受け身でいる働き方は、時代に全くそぐわないものになってきているのです。

次の世代の就業観

現在の大学生や若者の多くは、一世代前、二世代前と全く違った就業観です。
よくある新進気鋭の若手起業家達の続出などのニュースや、YouTuberやインフルエンサー、個人売り買い商売など、現代は「新たな職業の登場と収入源など、色んなチャンスがある環境」です。さらに、彼らのオピニオンリーダーと掲げる人達は、若くて起業、大手からの転職や独立組が多く、そういう働き方に共感しています。
彼らの多くが、一つの会社で定年まで働くことは全く考えておらず、いずれ転職や転身、さらに副業までチャレンジすることを前提に考えているのです。

彼らにとっての会社は、長い人生を乗り切るための役に立つスキルや人脈を広げる場としての位置づけでしかなく、その会社に居るために辛いことも我慢する滅私奉公は人生における時間の無駄とまで考える者もいます。

彼らの会社選びは、その会社に何年か務めたらどんにキャリア、スキルが持て、次のステージはどのようなものが考えられるのか。そういう観点なのです。

余談ですが、これから就職や転職に対する価値観が異なる親子喧嘩は頻繁に起きてくるかもしれません。「大手企業に入社すれば、公務員になれば安泰」と勧める親と「人生100年の時代に何言ってるの?」と言う子供。
今からの時代と働き方を考えれば、考え方を変えなければいけないのは親の世代かもしれません。

よく言われてきた
「次々に転職したり色んなことやったり、落ち着いてないのは良くない」
「安定してない仕事だから、家庭を養っていけるのか」
そんな働き方の価値観、就業観は本当に変わっていくのでしょうか?

● 自分を社会にPRできるSNS。
● 個人スキルを売るプラットフォーム。
● 大学生や若いビジネスマン対象の自己啓発イベント。通勤中に学べるスキル講座。
● テレワークの拡大。副業の解禁。
● 若手個人起業に投資するビジネス。
そして
● 夫婦共稼ぎを支援する各種制度。

個々人の価値観は別にしても、社会は間違いなく次世代の就業観に沿った形に変わっていくのではないでしょうか。

(編集部)

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